これは、アートの反対語は何か?と考えると、より理解できる。アートの反対語は「nature、ネイチャー」(自然)である。自然は、人の手が加えられていないものだからだ。
ではネイチャーとは何だろうか? 日本人なら、「自然」と聞けば、空や海、山や森をすぐに思い浮かべる。『広辞苑第五版』(岩波書店)によると、「おのずからそうなっているさま。天然のままで人為が加わらないさま。あるがままのさま」とあるから、このイメージで間違いない。
ところが、英語を話す子供たちは、ネイチャーを海や空、山や森などとは答えず、「things God made」と答える。これは「神がつくったもの」という意味だ。同じく、アートは「things humans made」(人間がつくったもの)である。
このことがわかって、私は初めて、日本語の世界と英語の世界が根本的に違うのだと知った。